世界大百科事典(旧版)内の勅令格式の言及
【刑罰】より
…たとえば専売制など,国家の経済統制への違反は皇帝の直接的立法たる勅によらざるをえなかった。唐律は宋代まで受け継がれながら,勅は律よりも尊重され,編勅や勅令格式という新しい法典が編纂された。また断例という判決例が重視せられ,判例集が編纂されるのも,宋代以後の著しい傾向である。…
【中国法】より
…旧来の律は儒教主義にのっとり教育的であるが,勅は功利主義で法家的であるため,儒家からは非難を受け排斥される。しかし現実の政治のうえでは,勅は律に代わって最も重要な刑法たる位置を獲得し,宋代には律令格式といわずに,勅令格式という言い方が普通となった。
[近世]
現今まで残っている宋代の法典としては,まず《宋刑統》が挙げられるのが常であるが,その内容はほとんど唐律そのままであり,史料的価値が少ない,しかしこれによって唐代の律が,宋代にも通用したことを知りうるので,事実《宋刑統》は判例などに律として引用されている。…
【律令格式】より
…均田制が崩壊すると政府は専売制度を創設し,その益金によって財政をまかなわねばならなくなり,これに対する密売を取り締まるため峻厳な刑法をその時々に発布し,これを勅と称した。勅の出現により律は骨抜きとなり,宋にいたって法典を総称するに,勅律令格式というが,多くは律を省略して勅令格式と称した。宋代の令もすでに理想を失った抜殻で,官制などの羅列にすぎない。…
※「勅令格式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」