世界大百科事典(旧版)内の勧告審決の言及
【審決】より
…このような手続を経て最終的に下される判決に該当する決定が審決であり,その主文は行政処分である排除措置を定めるものである。公正取引委員会の審決にはこのような正式の審判審決のほか,委員会が独禁法違反行為の存在を指摘し,その排除を行政指導する勧告に対して,事業者が応諾する場合に審判手続を経ないで勧告と同趣旨の審決をなすことを認める勧告審決(独占禁止法48条)と,審判手続が開始された後に,被審人が審判開始決定書記載の事実と法の適用を認め,その後の手続を経ずに審決を受けることを申し出た場合に,独禁法違反を除去するための対応策の計画を被審人にみずから作成させ,公正取引委員会がそれを適当と認めた場合には,その後の手続を経ずに計画書記載の措置と同趣旨の審決をなすことを認める同意審決(53条の3)の2種類の略式の審決の制度があり,現実には,審決のほとんどは勧告審決でなされている。 事前にこのような手続を経ているため,公正取引委員会の審決の取消訴訟は東京高等裁判所の専属管轄とされ,事実認定についても裁判所が公正取引委員会の認定を一定の範囲で尊重する,実質的証拠法則が採用される等,訴訟面でも特殊な扱いがなされている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」