世界大百科事典(旧版)内の十二支縁起の言及
【縁起】より
…すなわちあらゆる事象は事象間の相互関係の上に成立するから,不変的・固定的実体というべきものは何一つないという仏教の〈無我anātman〉あるいは〈空śūnya〉の思想を理論的に裏づけるのがこの縁起観である。釈尊は当時のバラモン教の有我説に反対して無我を主張したが,その根拠として〈十二支縁起(十二因縁)〉説を唱えた。すなわち無明を究極原因とし,生・老死を最終結果とする十二の因果の連続体がわれわれ有情(うじよう)のあり方であり,そこにはなんら固定的・実体的な自我(アートマン)は存在しないという。…
【十二因縁】より
…仏教の開祖釈尊が菩提樹下で悟ったといわれる真理。十二支縁起あるいは十二縁起とも呼ぶ。生老病死という四苦で言い表される我々苦的存在は,無明ではじまり老死で終わる次のような十二種の契機によって成立するとみる因果法則である。…
※「十二支縁起」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」