世界大百科事典(旧版)内の千匹塚の言及
【イノシシ(猪)】より
…後者の場合にはきばや下顎骨を射止めた者に与え,また肉や内臓を煮たり焼いたりして酒を買い狩仲間にふるまうのが一般的であった。これを100頭または1000頭とった者は千匹塚を立てることや,白色の猪を山の神の使者として撃つことを忌む伝承も西日本には残っており,解体,分配についての慣行も多い。【千葉 徳爾】
[料理]
料理東京付近ならば丹沢,伊豆,秩父,関西ならば京都周辺などをはじめとして,冬になると牡丹(ぼたん)なべの看板をかかげて猪料理を売物にするところは多い。…
【動物供養】より
…現代では牛馬の屠場業者,魚市場や養鶏業の関係者など生肉,卵,鮮魚などを取り扱う人々が,この種の動物霊の供養を年々の行事として挙行する場合が多く,捕鯨・狩猟関係の人々も仲間ごとに供養碑などの建立を行っている。西日本では1000頭の猪鹿を捕らえた者は人1人を殺したことに当たるとして千匹塚を建てて供養を営む慣習があり,ことに熊をとった場合は1頭ごとに墓を設けて,子孫7代までの祟りをさけるなどの習慣もあった。関東では,安産を祈って女人講が死んだ犬のため二股の犬卒塔婆を立てて犬供養を行い,また農作物の害虫などを大量に駆除した際には,虫の霊を供養するためやはり碑を立てて記念とすることもあった(虫供養)。…
※「千匹塚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」