南北二宗論(読み)なんぼくにしゅうろん

世界大百科事典(旧版)内の南北二宗論の言及

【董其昌】より

… 書家であり画家であった董其昌は,書画の鑑識や評論の方面でも理論的な指導者であった。絵画における南北二宗論の提唱(つまり南宗画を推称し,北宗画を貶(おと)す)はことに有名で,彼以前の文人画の活動をしめくくり,以後の活動の指針となったものとして高く評価されている。董其昌の絵画制作は,二宗論を実作に移したもので,北宋より元に至る彼が南宗系とみなす古典的な大画家たちの画風を単純,明快な構成要素に分解し,誰にでも用いられる造形的単位をつくり,これを画面上に再構築するというきわめて近代的なもので,そこでは抽象性と自然らしさが微妙なバランスをとっている。…

※「南北二宗論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android