世界大百科事典(旧版)内の南宋四大家の言及
【山水画】より
…この百数十年間は,政治的要因によって強いられた南北対立の時代であると同時に,対立する南北のそれぞれに絵画史的な意味での南北対立が見られる複雑な時代でもあった。例えば,南宋四大家が北宋山水画の大観的な空間表現を単純化し,より限定された表現素材の組合せによるものに変えていったのに対して,造形素材の効果を重視する方向は北宋山水画の空間構成を一部で継承しつつ,なお牧谿,玉澗らの禅余画家によって探究されていったのである。 続く元の時代は,その意味で,自己の伝統を伝統として自覚し再把握すべき時期であった。…
※「南宋四大家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」