世界大百科事典(旧版)内の博多駅事件の言及
【知る権利】より
…公衆がその必要とする情報を,妨げられることなく自由に入手できる権利をいう。近代憲法は基本的人権の一つとして言論・出版の自由を保障した。しかし,政府権力の拡大強化やマスコミの発達によって,一般市民(公衆)は,重要な情報源から遠ざけられるにいたった。情報化社会の発展とともに,この傾向はさらに拍車がかかり日常生活の情報の選択と入手は市民の重大な関心事となっている。こうして,国政情報から日常生活の情報まで,自由に入手することを求める〈知る権利〉は,最も重要な現代的人権として認識されるようになった。…
【報道の自由】より
…その意味において報道の自由は現代の言論・表現の自由の重要な構成要素をなしているとみることができる。憲法判例上も,最高裁判所は,北海道釧路地方裁判所で起きた北海タイムス社カメラマンの法廷内撮影事件(北海タイムス事件)の特別抗告を棄却した大法廷決定(1958)で,〈およそ,新聞が真実を報道することは,憲法21条の認める表現の自由に属〉すると述べ,また,いわゆる博多駅事件でニュース・フィルムの提出命令を拒否した放送4社の特別抗告を棄却した大法廷決定(1969)でも,〈報道機関の報道は,民主主義社会において,国民が国政に関与するにつき,重要な判断の資料を提供し,国民の〈知る権利〉に奉仕するものである。したがって,思想の表明の自由とならんで,事実の報道の自由は,表現の自由を規定した憲法21条の保障のもとにあることはいうまでもない〉と判示している。…
※「博多駅事件」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」