世界大百科事典(旧版)内の原判決破棄の言及
【上告】より
… 上告に関してなされる裁判は次のようなものがある。上告状に不備がありそれが補正できない場合に原裁判所の裁判長がする上告状の却下(314条2項,288条),上告が不適法でそれが補正不可能な場合や,定められた期間内に上告理由書が提出されなかったり,上告理由書の記載が定められた方式によっていない場合に原裁判所がする上告却下の決定(316条1項),同じ理由あるいは,上告の理由が明らかに312条1項および2項に規定する事由に該当しないことを理由として上告裁判所がする上告却下の決定(317条),上告裁判所が上告状,上告理由書,答弁書等の書類によって上告に理由がないと判断した場合に,口頭弁論を経ずにする上告棄却の判決(319条),上告裁判所が口頭弁論を経たうえで上告に理由なしとしてする上告棄却の判決,口頭弁論を経て,上告に理由があるものと上告裁判所が認めた場合にする原判決破棄の判決(325条1項)である。そして原判決を破棄する場合には,上告裁判所がみずから事実認定をやり直して事件の内容について判断を下すわけにいかないため,原則として事件を原審に差し戻す(破棄差戻し)か,原裁判所に差し戻すことが不都合なときは,同等の他の裁判所に移送(破棄移送)する(325条1項)。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」