世界大百科事典(旧版)内の原子価張力説の言及
【バイヤー】より
…約20年後,合成インジゴの工業的製法が完成され,大量生産が進み,有機化学技術およびドイツ化学工業に画期をもたらす基礎となった。尿酸やフタレイン,ニトロソ化合物などの多くの物質の挙動に興味をもち,理論そのものには無関心であったが,ベンゼン核構造の提起や不安定なポリアセチレンの研究から,環式炭化水素の〈原子価張力説〉を唱えたことは,ケクレの古典的構造理論を一歩進めたといえる。E.フィッシャー,V.マイヤー,R.ウィルシュテッター,K.グレーベ,C.T.リーバーマンなどすぐれた有機化学者を育てた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」