世界大百科事典(旧版)内の原爆被災者の言及
【原子爆弾症】より
…一般に広島,長崎に投下された原子爆弾に起因すると考えられる疾病のことで,原爆症と略称することが多い。原爆被災者の実数を正確にとらえることは,第2次大戦終戦直前の混乱期であったことから難しいが,広島の原爆投下時(1945年8月6日)に市内にいた約42万人の市民のうち約15万9000人(約38%)が,4ヵ月後の1945年12月末までに死亡した。長崎には45年8月9日に投下されたが,その状況は広島よりもさらに不正確であり,約27万2000人が被爆し,約7万4000人(約27%)が早期に死亡したと考えられる。…
【戦争犠牲者援護】より
…軍人軍属に対して準軍属,引揚者は劣位におかれ,軍人軍属のなかでも階級が上位であるほど給付は有利となり,その格差は著しい。一般市民の戦争傷害者の典型ともいうべき原爆被災者(被爆者)については〈原子爆弾被爆者の医療等に関する法律〉(1957公布)と〈原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律〉(1968公布)が制定せられ,その適用をめぐり原爆起因性認定訴訟も提起されてきた。しかし高齢化の進行など被爆者をとりまく環境の変化に伴う総合的対策として,原爆2法を一本化する〈原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律〉が第131国会で成立した(1995年7月施行)。…
※「原爆被災者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」