世界大百科事典(旧版)内の口部自動症の言及
【精神運動発作】より
…最広義の概念は国際分類の精神症状を伴う単純部分発作と複雑部分発作に相当する。自動症automatismとは,意識の減損ないし朦朧(もうろう)状態に自動運動を加え,後に完全な健忘を残すもので,口をもぐもぐぴちゃぴちゃさせる口部(食機能)自動症,諸種の表情を示す表情自動症,ポケットやボタンをまさぐる身ぶり自動症,部屋のなかを歩きまわる歩行自動症,ホラホラ,キタキタなどと常同的にしゃべる言語性自動症があり,自動症の前段階としては意識の断絶のみを示す意識減損発作がある。全般性強直間代痙攣(けいれん)発作(大発作)についで2番目に多い発作型で,癲癇発作の約30%を占め,難治性であり,性格変化や知能障害をきたしやすい。…
【癲癇】より
…定型欠神発作より持続の長いことが多く,3Hz棘徐波結合をみない。自動症は意識減損発作に加えて,舌なめずりや咀嚼(そしやく)し飲み込む運動,不安や恐怖の表情,ポケットやボタンをまさぐる運動,歩行,〈ホラ〉〈キタ〉などの発語を示すもので,それぞれ,口部自動症(食行動自動症),表情自動症,身振り自動症,歩行自動症,言語性自動症といわれる。難治性で,長年の抗癲癇薬の服用が必要であり,性格変化や知能の低下をきたすことが多い。…
※「口部自動症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」