世界大百科事典(旧版)内の古代日本語の言及
【母音調和】より
…sarɐm‐ɐr〈人を〉,gəbub‐ɯr〈亀を〉のように陽の母音/a,o,ɐ/と陰の母音/ə,u,ɯ/の区別があり,対格語尾に陽の語尾‐ɐrと陰の語尾‐ɯrの2種が語幹の母音によって使い分けされている。 古代日本語でも〈オ〉に甲類の/o/と乙類の/ö/の別があって,乙類の/ö/は/mötö/〈本〉のように甲類の/o/とは結合しないので,母音調和の痕跡ではないかと考えられている。要するに,母音調和は順行同化の一種と見なされるが,そこでは語幹内の母音がその後に同じ系列の母音を指定する働きをもっている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」