古博士(読み)こはかせ

世界大百科事典(旧版)内の古博士の言及

【声明】より

…(4)記譜法 声明に用いる楽譜は〈博士(はかせ)〉(墨譜ともいう)といい,その語源は文法学,音韻学としての声明の指導者の呼称であるとされる。最も古い形態である〈古博士〉は漢字の四方に配される四声点から発する簡単な直線か屈曲線を用いるが,これが表す旋律は今日には伝わっていない。実際に用いられている博士には〈目安博士(めやすばかせ)〉と〈五音博士(ごいんばかせ)〉の両様があり,前者は旋律の動きを直線や屈曲線で相対的に示すもので,後者は垂直,斜め,水平のそれぞれの方向で五音を示す線分を用い,これによって旋律の音高を順次示すものである。…

【博士】より

…そのほか,旋律型の名称やユリの数,発音上の注意などの記入は,天台,真言,あるいは五音博士,目安博士を通じて数多く見られるところである。なお,歴史的には,平安時代末ごろの資料に詞章の四声点(四声)から発する単純な博士が存在し,それを古博士と呼んで区別することがあるが,原理的には,これも目安博士である。現在の声明は,特別の例外を除くほとんどすべてが,博士によって記譜されており,かつ記譜の内容は,漸次,詳細になっていく傾向が強い。…

※「古博士」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」