《古史成文》(読み)こしせいぶん

世界大百科事典(旧版)内の《古史成文》の言及

【国学】より

…この篤胤学は多くの点で宣長学とは異質である。第1に,宣長の文献実証主義とは反対に,篤胤がその神典として撰定した《古史成文》は,記紀その他の古文献から自己の古道信仰に都合のよい部分を任意に選び出して編集したものである。第2に,篤胤はその学を〈平田神道〉とも呼ばれるくらいに国学の神道化を推進したが,その際,宣長学がまったく無関心であった人間の死後の世界のこともその教義中に取り入れ,いちじるしく宗教色を強めた。…

【古史徴】より

…別名《古史或問(わくもん)》。みずから正史本文として撰した《古史成文》の出処ならびにその撰定事由を論証した著述である。本書は,篤胤がはじめ〈死後の門弟〉として先師と仰いだ本居宣長の国学がもっぱら《古事記》に依拠していることに疑問を抱き,《日本書紀》その他の古文献から任意に選んだ本文を合成して,篤胤独自の〈神典〉を作ったことで知られる。…

【古史伝】より

…全37巻。本居宣長の《古事記伝》にならって,みずから正史として撰した《古史成文》に下した注釈書である。篤胤は宣長のように本文批判には忠実でなく,《古史成文》は《古事記》《日本書紀》などの本文を任意に取捨選択したテキストであり,本書の注釈態度にもきわめて独断的な傾向がある。…

※「《古史成文》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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