世界大百科事典(旧版)内の史跡名勝天然紀念物保存法の言及
【国立公園】より
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【日本】
数多い日本の風景地の中でも代表するに足りうる傑出した自然の風景地を保護するとともに,その利用の増進を図り,国民の保健・休養および教化に資することを目的として,環境庁長官によって指定される自然公園の一つである。国立公園の諸事業は原則として国が自ら行う。 このほか日本には自然公園として国定公園と都道府県立自然公園がある。国定公園は国立公園に準ずる優れた自然の風景地を,都道府県知事の申し出により環境庁長官が指定する。…
【史跡】より
…一般には,遺跡と同義で,明治時代末期以降現在でもその意味で使用されていることが多いが,1919年の〈史蹟名勝天然紀念物保存法〉以降は,遺跡のうち,特に法律にもとづいて指定保護されているものを指すようになり,現在では狭義の史跡は,国宝,重要文化財,名勝,天然記念物などとならぶ,文化財の種別の一つとなっている。 法律による史跡保護の制度は,〈史蹟名勝天然紀念物保存法〉により重要な遺跡の史跡指定と,その破壊や現状変更に対する規制その他の制度が定められたのを初めとし,50年,文化財保護法に制度の基本が引き継がれ,現在に至っている。…
【天然記念物】より
…自然物または自然の所産で,一つの国やある地方に固有独特のもの。とくに,その国土または郷土だけにみられる動物,植物,地形地質やその集合体,あるいはその存在や生息の領域などのうち,その地域の特徴となって科学的,景観的,歴史的に価値が高いと認められ,その保存,保護を国や自治体から指定されたもの。 天然記念物ということばを初めて用いたのはA.vonフンボルトであるという。フンボルトは1799年から1804年にかけて赤道アメリカの各地を探検して歩いた。…
【文化財】より
…1950年制定の文化財保護法によって一般に用いられるようになった語で,cultural propertiesの訳語。同法では〈わが国の歴史,文化等の正しい理解のため欠くことのできない〉また〈将来の文化の向上発展の基礎をなす〉貴重な国民的財産と定義している。
[文化財の種類]
文化財は人工文化財と自然文化財に大別される。人工文化財はまた,動産文化財,不動産文化財,および無形文化財,民俗文化財に分けられる。…
【文化財保護法】より
… 昭和に入って,古社寺保存法に代わって古社寺所有の物件以外にまで対象を広げた国宝保存法(1929公布)が制定され,さらに美術品の海外流出を防ぎ,適正な保存を図るための〈重要美術品等の保存に関する法律〉(1933公布)が制定され,旧時代の文化財保護法制は格段の進展をみるに至った。 しかし,国宝保存法,重要美術品等の保存に関する法律,史跡(蹟)名勝天然紀念物保存法も,第2次大戦後の時代の推移の中で不備がめだつようになり,とくに1949年の法隆寺金堂の炎上による壁画の焼失を契機に,文化財保護行政の強化・充実が主張され,現行の文化財保護法の成立をみるに至ったのである。この法律は,文化財保護に関する包括的統一立法として,旧来に比べて保護の対象を広げ,たとえば埋蔵文化財をも含める(57条以下)などのほか,前述のような保存と公開およびそのための補助について詳細に定めたのである。…
※「史跡名勝天然紀念物保存法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」