世界大百科事典(旧版)内の名物裂帖の言及
【名物裂】より
…また名物裂が珍重されるようになると,日本で模作品も製作されるようになり,このため江戸時代以来名物裂の研究は,もっぱらその〈本歌〉(オリジナル)と〈写し〉(模作品)とを識別することが重視された。今日数多く残っている名物裂帖は,そうした裂の勉強帖としての役割も果たしていたと思われる。時代区分としては,〈極古渡(ごくこわたり)〉(14世紀ころ),〈古渡(こわたり)〉(15世紀),〈中渡(なかわたり)〉(16世紀前半),〈後渡(のちわたり)〉(16~17世紀),〈新渡(しんと)〉(17世紀)という設定がなされるが,現実には小裂の時代の判別はきわめて難しく,また〈極古渡〉に属するものは非常にまれである。…
※「名物裂帖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」