世界大百科事典(旧版)内の吟味方与力の言及
【与力】より
…その職掌は役所全般を取り締まる年番方(ねんばんかた),裁判を行う吟味方,刑事判例を調べる例繰方(れいくりかた),牢屋の事務を監督する牢屋見廻(みまわり),恩赦を扱う赦帳撰要方,町火消を指揮する町火消人足改,小石川養生所を扱う養生所見廻,本所深川に関する事務を行う本所方,烈風のとき市中を見回り警戒する風烈見廻等や,裁判,警察を中心に,市政一般にわたる多くの分課に分かれた。なかでも吟味方与力(定員10名)は重職で,町奉行に代わって町奉行所の裁判を実際に遂行したのであり,勘定奉行配下の評定所留役(ひようじようしよとめやく)と並んで,幕府裁判の中心的担い手として,幕府法の発達に大きく寄与した。したがってまた彼らは,幕府法の内容を探知し参考にしようとする諸藩からの依頼を受けて,幕府法を教示することも多く,藩法の幕府法化を促す契機の一つともなった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」