含嘉倉(読み)がんかそう

世界大百科事典(旧版)内の含嘉倉の言及

【穀倉】より

… たとえば漢代の穀倉については,四川省成都から出土した画像甎に刻されたもののほか,各地の墓から出土した明器のなかに多数の陶倉があって,当時の穀倉の姿をうかがうことができる。国都付近におかれた太倉などの大穀倉が,漢の武帝や隋の煬帝(ようだい)の治世に,満ちあふれていたことを伝える文献は残されていたが,その実態を彷彿たらしめたのは,1969年に隋・唐時代の東都洛陽の含嘉倉が発掘されたことによってである。東西600余m,南北700余mの含嘉倉城のなかに,およそ400の穴倉がうがたれ,その中から搬入の実情を克明に記録する文字を刻した甎が出土したのである。…

【倉庫】より

…【清水 広一郎】
【中国】
 中国では,《唐律疏議》巻十五に〈倉とは粟麦の属を貯うるをいい,庫とは器仗綿絹の類を貯うるをいう〉とあるように,厳密にいえば倉が穀倉を指すのに対し,庫は兵器や絹綿の収蔵庫を意味した。したがって太倉や含嘉倉は,いずれも国都におかれた大穀倉のことなのである。ところで,客商の貨物を預かる営業倉庫は,唐以前にあっては邸または店といい,主として市の周囲に設けられ,市制が崩壊して以後は,交通の便に都合のよい場所におかれた。…

【貯蔵穴】より

…ただし,弥生時代にも低湿地の貯蔵穴にドングリなどを蓄えたものもあり(長崎県里田原(さとたばる)遺跡),あく抜きとの関連が説かれている。古代国家が経営した貯蔵穴としては,中国河南省洛陽の含嘉倉(がんかそう)(隋・唐代)が名高い。壁で囲んだ612m×750mの範囲に,径8~18m,深さ6~12mの貯蔵穴が数百基整然と並ぶ。…

【洛陽】より

…それは運河と黄河の交点に近く,江南の諸物資がここに集積され,さらに西の長安に転送される最も重要な基地という立地によるものである。1971年,宮城北東の地で発見された含嘉倉城は,そのことを如実に物語る。これは東西600m,南北700mの城壁で囲まれた巨大な穀物窖(こう)群で,直径15m,深さ20m規模の防水処理された穴蔵が400以上確認された。…

※「含嘉倉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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