呑みこむ太母(読み)のみこむたいぼ

世界大百科事典(旧版)内の呑みこむ太母の言及

【神話】より

… たとえば,ユング派の心理学者たちによれば,心理的成長の過程で人間は,それまで無意識にいわば埋没したような状態にあった意識を自立させて,他と明確に区別される〈自我ego〉として確立させる必要がある。その場合に,幼児期にはもっぱら生み養い育てる〈善い母Good Mother〉として作用していた〈太母元型〉の働きが,一転して自我の無意識からの自立を妨げようとする恐ろしい怪物のような〈呑みこむ太母Devouring Great Mother〉として体験される。つまりおとなへの成長を遂げるためには,人間はだれも,自我を呑みこんで離すまいとするこの〈呑みこむ太母〉の猛烈な威力と対決し,それを克服せねばならぬので,世界中の神話やおとぎ話などにも,夢にも,よく似た形で共通して出てくる怪物を退治して美女や宝物などを獲得する英雄の話は,ユング派の心理学者たちによれば,この困難と必要とを表現したものにほかならない。…

※「呑みこむ太母」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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