周義山(読み)しゅうぎさん

世界大百科事典(旧版)内の周義山の言及

【道教】より

… 第3に注目されるのは,中国の古代思想史で儒家の道教を批判しつつ,みずからの道教の正統性を強調している墨子ないしは墨子教団がいわゆる宗教としての道教の道術の実践者として,《雲笈七籤》の収載する六朝期の道教の神学教理書の中に記載されていることである。たとえば〈金丹を服して終りを告ぐる者〉(巻八十四に引く《真誥》の文章)として墨翟子(ぼくてきし)の名が挙げられているのがそれであり,服気すなわち呼吸調整の道術として〈墨子閉気行気法〉(巻五十九)が,また道士の周義山(巻百六にその伝記〈紫陽真人・周君内伝〉を載せる)が鳥鼠山に登って墨翟子から《紫度炎光内視図中経》を授けられたなどと記載されているのがそれである。墨子ないしは墨子教団が六朝期の道教の神学教理書の中で宗教としての道教と結びつけられるのは,彼らが中国古代の伝説的な皇帝,夏王朝の禹王を,山河を跋渉して困苦し,治水工事を成功させて天下万民の苦しみを救った大聖として尊び,その禹王がまた六朝期に成立した道教の経典《霊宝五符序》の中で〈真人から長生の道を口訣(くけつ)され……天宮の宝書を集め……霊方を服して以て景(かげ)を匿した〉神仙とされていることと密接な関連をもつが,六朝以後のいわゆる宗教としての道教が同じく道教とよばれた名辞の共通性の故に墨子ないしは墨子教団の〈先王の道教〉を神仙的に道術化して,その神学教理の中に組み込んでいる点は,量的にはかなり劣るが道教としての仏教もしくは道教としての儒教と一致する。…

※「周義山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android