世界大百科事典(旧版)内の呼吸性ニューロンの言及
【呼吸中枢】より
…(3)橋と延髄の両部位にかけてリズム形成機構が存在すると考える説で,橋から延髄にかけて持続した吸息性興奮を続ける性質をもつ持続性吸息中枢または吸息中枢があり,この興奮が橋上部の呼吸調節中枢または肺迷走神経求心路から延髄の呼息中枢を経由する抑制作用によって周期的に抑制されて正常呼吸型リズムがつくられるという。最近の神経生理学的研究法を用いて,自発的に呼吸周期に一致するリズム活動を示す呼吸性ニューロンの脳幹での分布状態,生理学的性質,とくに迷走神経はじめすべての求心神経を切断して,橋,延髄,脊髄の呼吸性ニューロンのリズム活動の自動性の大小を比較した研究によって,延髄の呼吸性ニューロン群が最も高い自動的興奮能力をもっていることが確認された。このことから,先にあげた諸説のなかで(1)の延髄で正常呼吸型リズムがつくられると説明する説が最も実験結果に符合することとなり,この説に賛成する研究者が多い。…
※「呼吸性ニューロン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」