世界大百科事典(旧版)内の命令ノ条項違犯ニ関スル罰則ノ件の言及
【軽犯罪法】より
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[沿革と問題点]
同種立法は1873年の違式詿違(いしきかいい)条例などにさかのぼる。その後,旧刑法(1880公布)が第4編に拘留,科料にあたる違警罪としてこの種の規定を取り込んだが,現行刑法(1907公布)が違警罪という範疇を廃したのに伴い,1908年に,〈命令ノ条項違犯ニ関スル罰則ノ件〉(1890年公布の法律)および〈閣令省令庁府県令及警察令ニ関スル罰則〉(1890年公布の勅令)を根拠に,内務省令として,警察犯処罰令が制定され,旧違警罪71種は整理,改訂を加えられて警察犯(58種)としてこの中に再編された。同処罰令は第2次大戦後まで存続し,1947年に公布された〈日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律〉によって,翌年5月2日までなお一時的に法律としての効力を認められた後,内容的にも形式的にも日本国憲法の理念を受けた軽犯罪法に換えられることとなった。…
【罪刑法定主義】より
…明治憲法(1889公布)23条は,〈日本臣民ハ法律ニ依ルニ非スシテ……処罰ヲ受クルコトナシ〉として,罪刑法定主義を憲法上の原則にまで高めた。しかし,実際においては,〈命令ノ条項違犯ニ関スル罰則ノ件〉(1890公布)により命令への罰則の広範な委任が認められるなど,罪刑法定主義の意義は限定的なものにとどまっていたのである。 戦後,現憲法(1946公布)は,罪刑法定主義の原則を再確認した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」