世界大百科事典(旧版)内の命定論の言及
【王充】より
…《譏俗節義》《政務》《養性》などの著作は,主著《論衡(ろんこう)》に統合されたと考えられる。彼は経験的実証にもとづく推論を重視し,当時の讖緯(しんい)説(聖人の未来予言)や俗信・伝聞の虚妄性を指弾し,天地は物質の気で構成され万物の生滅は気の集散によるとする唯物思想と,過度の人為的干渉を排した道家系の“自然”必然的な命運の支配(命定論)を主張し,天の目的意志と政事の感応を信ずる神秘的な天人相関説を拒否した。彼の無神論と命定論は,墨家の鬼神説と非命説にあい対立する点で興味ぶかい。…
※「命定論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」