唐大刀(読み)からだち

世界大百科事典(旧版)内の唐大刀の言及

【大刀】より

…金属装の頭椎大刀が示す6~7世紀という年代は,神話の潤色の時期にあたっている。 なお《東大寺献物帳》には,唐大刀(からたち)または唐様大刀(からようのたち)の名も出ている。正倉院宝物と対照していうと,これは金銀装や金銅装の華麗な大刀で,把間を鮫皮(さめかわ)で包み,粢鐔(しとぎつば)の古名をもつ唐鐔を用い,双脚足金物の頂につけた山形の飾板の佩裏に,小環を設けて帯執(おびとり)の金具をとりつけ,把頭の懸は佩表の小環に通すなど,すべての点で新様式であることを示している。…

【太刀】より

…古く古墳出土の遺品は,把(柄)頭(つかがしら)に手だまりを大きくこしらえるのを特色とし,頭椎(かぶつち)といって柄頭を立体的に大きくふくらませたものと,環(鐶)頭(かんとう)といって環としたものと,方頭,円頭,圭頭などに分けられる。奈良時代には柄に鮫皮(さめかわ)をきせて鞘に漆を塗り,金銀飾の長金物(なががなもの)を入れた唐大刀(からだち)とその略式である唐様(からよう)の大刀が行われ,平安時代になると唐大刀は飾太刀(かざだち)とよばれて儀仗の最高級となり,その略式は細太刀とよばれて帯剣を許された公卿の儀仗となった。兵仗は柄を毛抜形にすかしたのが特色で,衛府(えふ)の武官の常用として衛府(よう)の太刀といい,公卿も非常の際の実用としてこれを野太刀(のだち)ともいった。…

※「唐大刀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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