唯名論派(読み)ゆいめいろんは

世界大百科事典(旧版)内の唯名論派の言及

【正名】より

…以後,人倫道徳と政治上の視野から〈《春秋》は〈名分〉を道(い)う〉(《荘子》天下篇)と評定された。 他方,論理学的観点から,名より実(客観対象)を優先する別墨系の〈墨経〉や楊朱,公孫竜ら唯名論派に対し,戦国末期の荀子は,告子以来の名(概念)優先を説く実念論派を代表し,その〈正名篇〉で,名辞(ことば)と志義(思惟)の関係を認識論風に展開した。これは《管子》の名分論のように君主権強化をはかる申不害,韓非子ら法家系〈刑名参同〉の臣下統御術へ向かい,〈正名審分〉(《呂氏春秋》審分篇)や〈循名責実〉(《淮南子(えなんじ)》主術篇)など秦・漢帝国統治の君臣間の〈名分〉を定着させた。…

※「唯名論派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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