世界大百科事典(旧版)内の国作り神話の言及
【日本神話】より
… したがって神話は本質的に〈今〉の秩序の永遠化を願う支配者(王)の権威と結びつき,祭祀や儀礼の詞章として形式化されてくる。〈童女(おとめ)の胸鉏(むなすき)取らして〉国を引いたという《出雲風土記》の〈国引き神話〉や〈五百津鉏(いおつすき)の鉏なお取り取らして〉天の下を造ったオオナムチの物語をはじめとする各地の〈国作り神話〉は,鉄製の農具と武器で大地を開拓し戦った地方的な王(族長層)の英雄的な行為を神話的に典型化して表現したものである。石母田正によれば,これらの英雄神話は労働用具が美意識の対象となりえた日本文学史上唯一の時期の産物であるという。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」