世界大百科事典(旧版)内の国語教科書の言及
【読み書きそろばん(読み書き算盤)】より
…〈学制〉以降,大多数の教科書は文語体が採用されていたが,1891年の小学校教則大綱では,普通の言語や〈日常須知〉の文字・文句・文章の読み書きの必要が説かれ,一方,文学や児童文学における言文一致の運動に目をふさぐことはできなかった。最初の国定国語教科書編纂にあたって文部省は口語体を多くするとしたが,同時に東京の〈中流社会〉で行われているものをもって国語の基準にすると定められ,これが〈標準語〉とされるようになる。多くの地方の子どもにとってふだん話し聞く言葉とこの〈標準語〉とはくいちがっていたが,やがて科学論文や文学作品を読めるようになるには,〈標準語〉の読み書きを学ばなければならなかった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」