国際取引法(読み)こくさいとりひきほう

世界大百科事典(旧版)内の国際取引法の言及

【国際商法】より

国際私法
【国際商事関係を直接に規定する法】
 国際的商事関係については,国内的な商事関係とは異なった法によることが妥当であるという考え方は,すでにローマ法における市民法と万民法の区別にも示されているが,そのことはかつての社会主義国においても妥当性をもつものとされていた。例えば,1963年の旧チェコスロバキア国際取引法典や,76年の東ドイツ国際契約法典は,国際取引についてのみ適用される契約規定を設けていたのがその例である。しかしこれは社会主義国においても,国際取引については,いわば資本主義的法理の採用が不可欠であるため,国際的商慣習ならびに国際取引法の統一への動向などを考慮して制定されたものであり,いずれもその国の国際私法上自国法が準拠法となる場合,あるいは当事者がこれによることに合意した場合に初めて適用されるものであった。…

【法の統一】より

…法の統一は,1950年11月のヨーロッパ人権保護条約や70年12月のハイジャック防止条約のように公法に関するもの,あるいは私法の分野で,20世紀初めのスカンジナビア諸国の婚姻法や養子法の統一作業や,73年の国際遺言の方式に関するワシントン条約のように身分法に関するものもあるが,とくに法統一の必要が強調されるのは,国際取引に関する領域である。
[国際取引法の統一]
 国際取引法統一のための立法技術としては次のようなものがある。(1)1930,31年のジュネーブ条約のように,締約国の国内関係にも適用される手形法,小切手法の内容を統一することにより,国際決済の法的安定をはかる方法,(2)1964年のハーグ国際動産売買統一法条約のように,国際契約に適用される売買法を統一する方法,(3)売買法自体の統一が当面困難な場合に,各国民商法の適用基準を定める国際私法の統一をはかり,各国裁判所の判決の一致を導くことにより,法的安定をはかる方法(例えば1955年の有体動産の国際的売買契約の準拠法に関するハーグ条約や,80年のEEC契約準拠法条約)などがある。…

※「国際取引法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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