世界大百科事典(旧版)内の国際生物学事業計画の言及
【生態系】より
…いずれも多数の研究者が多くの時間を費やしているが,生態系としての解析は未成熟だとする見方がある。その後国際生物学事業計画(IBP)が1965年から72年にかけて行われたが,この計画は日本を含め約60ヵ国の第一線の研究者多数が協力して地球上のさまざまな生態系における生物生産を研究したもので,地球生態系の諸問題,特に食糧問題に対する科学的根拠を求めようとするものである。これらの研究の過程では,莫大なマン・パワーが投入されるとともに,コンピューターを駆使したシミュレーション・モデルの技術が新しく用いられ,またシステム分析による複雑な生態系の解析も行われるようになった。…
【生物生産】より
… 地球上の全一次生産量の推定は1862年のJ.vonリービヒ以来,多くの研究者が行っているが,その推定値は600億~3600億t/年とかなりの幅がある。世界約60ヵ国の研究者が参加して1965年からはじめられた国際生物学事業計画(IBP)は地球上の食料生産の基礎を明らかにしようとしたもので,生物生産の研究が大きくとり上げられた。この研究の結果を背景に,ホイッタカーR.H.WhittakerとライケンズG.E.Likensが73年にまとめた推定値が現在最も広く引用されている(表)。…
※「国際生物学事業計画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」