地方の時代(読み)ちほうのじだい

世界大百科事典(旧版)内の地方の時代の言及

【国土総合開発】より

…それとともに,過密の抑制の一環として首都機能や大学の地方分散も主張されている。 全国ネットワークや産業配置構想は,新全総を継承しているが,大規模産業立地における環境アセスメントや地域圏の情報格差の是正の必要などの言及がなされている。この時期は,〈地方の時代〉という言葉が盛んに用いられるようになり,地域での生活基盤の充実のためのさまざまな文化施設が作られた。人口の大都市圏への集中も1970年代後半にはストップする傾向にあった。
[第4次全国総合開発計画]
〈第4次全国総合開発計画〉(四全総)は1987年に閣議決定された。そのキー・コンセプトは,〈多極分散型国土の形成〉と〈交流ネットワーク構想〉であり,日本のハイテク産業の国際的な評価の高まりによって,技術革新・情報化・国際化が進み,中央と地方の格差が再び拡大しはじめた状況に対処することが求められていた。その背景には,日本の製造業におけるハイテク型技術革新への,日本的経営による適応の成功が挙げられる。地域開発面でもその現れとして〈テクノポリス〉計画の進行が始まっていた。 テクノポリス計画は、1983年に成立した〈高度技術工業集積地域開発促進法〉によるもので,全国で26地域を指定している。…

【地方公共団体】より

…さらに70年代末には,府県レベルに国の出先機関から脱し,広域自治体に純化しようとする動きが生じた。いわゆる〈地方の時代〉の提唱である。地方自治体は,分散かつ分権型の中央・地方関係の創造を求めた。…

【リージョナリズム】より

… リージョナリズムは,人間一人一人の個性尊重の精神が地域集団へと拡張された自然な主張であり行動であるが,それは閉鎖的なセクショナリズムとかプロビンシャリズムや地域エゴイズムに逆戻りする危険性をもはらんでいる。【西川 治】
[日本の地域主義]
 最近の日本で注目を集めている地域主義は,〈地方の時代〉論という形で一般化された考え方である。すなわち,地域を単位にして全体社会を再組織化しようという考え方で,地域の自律性を重視し,国民国家を相対化する立場である。…

※「地方の時代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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