坂者(読み)さかのもの

世界大百科事典(旧版)内の坂者の言及

【坂】より

…山中の坂が,そのように超日常的な事象の生じやすい世界の一つと観念されたのは,山中を〈他界の地〉とみたり,〈山神〉のいますところとみたりする信仰の力が働いていたからと推察され,それに,異郷へむかってすすむことへの不安や,異郷をわたりあるくことへの恐れが合わさって,坂の意味をいっそう深いものにしていたと考えられる。 古代末期から中世をつうじて,奈良や京都を中心とした地方では,主要な街道の坂道に相当数の貧窮民・流浪民が集住し,荘園領主(大寺社)の管下に統轄され,〈坂者(さかのもの)〉とか〈坂非人(さかのひにん)〉などと呼ばれながら雑業・雑芸に従事していたことが知られている。奈良坂や京都清水坂(きよみずざか)はその好例といえる。…

【つるめそ】より

…鎌倉時代から江戸時代にかけて,京都の清水坂,建仁寺のあたりに集住した〈賤民〉の一種。本来の名称は〈犬神人(いぬじにん∥いぬじんにん)〉といい,祇園社(ぎおんしや)(八坂神社)に隷属して,最下級の神人(じにん)として境内地・墓所などの清掃や祇園御霊会(ごりようえ)(祇園祭)の神幸の警護,神幸路の清めなどを主要な任務にするとともに,とくに中世には比叡山延暦寺の末社であった祇園社の軍事的・警察的組織をなして縦横に活躍した。…

※「坂者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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