六訂版 家庭医学大全科 「外リンパ瘻」の解説
外リンパ瘻
がいリンパろう
Perilymphatic fistula
(耳の病気)
どんな病気か
中耳と内耳の間にある
原因は何か
重い物を持ち上げる、運ぶなどの力仕事をする、トイレでいきむ、鼻をかむ、海に潜るなど、
症状の現れ方
これらの症状は原因と同時に突然起こることもありますが、数日かけて悪化する場合や症状が改善・悪化を繰り返す場合もみられます。このように、症状の現れ方は一様ではなく、個人差があるのが特徴です。なお、発症時にパチッという音(ポップ音)が聞こえることがあります。
検査と診断
現時点では、手術をして内耳窓に穿孔を確認する以外に確実な診断法はありません。しかし、原因の項で示したような内耳窓に穿孔を生じる可能性のある行動、環境のあとに蝸牛症状や前庭症状が生じた場合、発症時の特徴的なポップ音が確認された場合、水の流れるような特徴的な耳鳴りが現れる場合、外耳や中耳に圧変化を加えた時にめまいを訴える場合には、外リンパ瘻の存在が疑われます。
治療の方法
安静にするなどの保存的療法により治ることもあります。ただし、めまいが激しい場合、難聴が進行する場合、頭部外傷が原因の場合には、早急に中耳の手術(
病気に気づいたらどうする
外リンパ瘻が疑われた場合、できるだけ安静を保ち、原因となる動作や運動を避け、耳鼻咽喉科を早急に受診することが必要です。
將積 日出夫
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報