世界大百科事典(旧版)内の多年性雪渓の言及
【雪渓】より
…山岳地域において,積雪につごうのよい谷地形のなかに局地的に多量に降り積もった雪が,夏に遅くまで溶けきらずに残ったものをさす。氷期に氷河の浸食作用でできたカールや氷食谷のなかに生じることが多い。雪渓のできる位置と成因によって,吹きだまり型雪渓となだれ型雪渓に分けられる。吹きだまり型雪渓は,稜線の風下側に雪が吹きだまってできたもので,日本アルプスなど冬に西から季節風が吹くところでは,稜線の東側にこの型の雪渓が発達する(北アルプス劔沢の〈はまぐり雪〉雪渓,立山の内蔵助(くらのすけ)雪渓など)。…
【万年雪】より
…夏の融雪期にとけきらずに残る越年性の氷雪の広がりを指す。山地では雪渓や雪田をつくるので,現在では〈越年性(多年性)雪渓〉と呼ばれることが多い。実際には1年でできるのに,それを“万年”雪と呼ぶのは適切でないからである。降りたての雪(新雪)の密度は0.05~0.15g/cm3くらいであるが,万年雪をつくる雪は,気温の高い昼間にとけ,気温の下がる夜間に再び凍結することを繰り返すうちに氷化し,密度が増大して0.5~0.6g/cm3くらいになる。…
※「多年性雪渓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」