夜の旅(読み)よるのたび

世界大百科事典(旧版)内の夜の旅の言及

【エルサレム】より

…イスラムにおいては,この都市は,ムハンマドに先立つユダヤ教,キリスト教にも共通する預言者たちの系列のなかで意義づけられ,キブラ(礼拝の方向)がメッカのカーバに変更されるまでは礼拝はエルサレムに向かって行われていた。そして何よりも,預言者ムハンマドが夜の旅(メッカからエルサレムへの旅〈イスラー〉と天国への上昇〈ミーラージュ〉)に導かれたところであって,イスラム教徒の説話のなかでは天国と地獄の接点にあたる場所であった。ヘブライ語のイェルシャライムはしばしば〈平和の基礎〉と解釈された。…

【ミーラージュ】より

…後にはとくに〈ムハンマドの昇天〉の意に用いられるようになった。コーランは神を天国に至る〈はしごの主〉であると述べ(70:3)ており,またムハンマドを連れて聖なる礼拝堂al‐masjid al‐ḥarāmから遠隔の礼拝堂al‐masjid al‐aqṣāまで夜の旅(イスラーisrā’)をしたと記している(17:1)。聖なる礼拝堂とはメッカのカーバを指し,遠隔の礼拝堂とは天国を意味したが,後世のハディース(伝承)は遠隔の礼拝堂をエルサレムの神殿に比定し,ムハンマドは天使ガブリエルに連れられて,翼のある天馬(ブラークBurāq)に乗り,エルサレムに旅してそこから光のはしごを登って昇天し,神の御座にひれ伏したと伝えている。…

※「夜の旅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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