世界大百科事典(旧版)内の夢買長者の言及
【ハチ(蜂)】より
…その巣は民間薬として各種の出血や痛みを止めるのに用いられた。ハチの飛ぶあとをつけてこれらを求める方法には種々の工夫があり,昔話の〈夢買長者〉にはそれによって宝物を発見したり幸運を得るという語り方もあった。【千葉 徳爾】
[医術]
《古事記》には須佐之男(すさのお)命が娘の須勢理毘売(すせりびめ)命の夫,大国主命をヘビ,ムカデ,ハチの室に寝かせる。…
【夢】より
…古代においては,物の怪(もののけ)や罪穢がそうであったように,夢もまた一種の実体であり,そこから夢が売買された話なども生まれてくる。《宇治拾遺物語》の〈夢買人ノ事〉や,〈だんぶり長者〉を含む夢買長者と呼ばれる一群の昔話,味噌買長者などがそれである。《蜻蛉日記》や《更級日記》をみると,他者の依頼を受けて夢を見る夢見法師の存在と,その夢解きを専門に行った者(巫覡,陰陽師)の存在が確認されるが,夢が一つの実体(他者性)として考えられていた時代には,こうした職能人が霊場に付属していたとしてもふしぎではない。…
※「夢買長者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」