大島火山(読み)おおしまかざん

最新 地学事典 「大島火山」の解説

おおしまかざん
大島火山

Oshima volcano

伊豆大島の大部分を占める玄武岩質成層火山。気象庁の活火山名は伊豆大島。しばしばストロンボリ式噴火をする日本で最も活動的な火山の一つ。中央に径4km×3kmの2個接合した繭形のカルデラがあり,その中に中央火口丘の三原山がある。山体は北北西~南南東に長く,この方向に側火山・側火口70以上が配列,プレート運動による主応力軸方向を反映している。噴火は数万年前,古い火山体の残骸島が残る浅海底で開始,それらを覆って海抜約1,000mの陸上火山に成長。5~7世紀ころ2回の大噴火でカルデラを形成。以後これらを含めて12回の大噴火(噴出量108t以上)があり,平均間隔は約125年。最新の大噴火は1777~92年の安永噴火。三原山はこのときに生成。南東部の波浮はぶの爆発火口形成は9世紀の大噴火による。大噴火はスコリア降下→溶岩流出→長期間の火山灰降下を1単位(噴火輪廻)として識別され,カルデラ形成前にも100回以上認められる。大噴火の間には中噴火(噴出量107t級,35年以内に1回),さらに小噴火(噴出量106t級以下)がしばしば発生。明治以後の中噴火は1876~77(明治9~10),1912~14(明45~大正3),22~23(大11~12),50~51(昭和25~26),86(昭61)年の5回。噴火位置は安永噴火以来常に三原山山頂火口だったが,1950~51年噴火で溶岩は初めて三原山からカルデラ床へ溢流。86年噴火は山頂噴火の後,1421年以来565年ぶりの割れ目噴火を併発した。山頂噴火は11月15日三原山火孔南壁(A)で開始,連続噴泉で火孔は溶岩湖と化し,あふれた溶岩が19日カルデラ床へ流出。割れ目噴火は21日発生,三原山北東斜面~北部カルデラ床(B),外輪山北西斜面(C)の2ヵ所に溶岩噴泉列を生じた。噴泉は高さ1,600m以上,噴煙柱は高度16kmに達した。火口列はそれぞれ延長1.1km, 北西~南東方向に雁行し,溶岩はカルデラ内では北東部と北部に広がり,外輪山斜面では谷沿いに北西の元町方向へ流下した。このため島民約1万人は一夜にして島外へ脱出,1ヵ月の避難生活の社会問題を生じた。87年11月,山頂溶岩湖が突如陥没消失して火孔を再現,以後約10年間マグマの表面活動はなく,次の噴火への準備が進んでいる。86年噴火の噴出量(A)3×107t,(B+C)4~3×107t。大島火山の噴出物は86年(A)を含め主に低アルカリソレアイト質玄武岩。86年割れ目噴火は玄武岩質安山岩。1986年噴火は火山性地震測地電磁気・熱・火山ガスほか多分野にわたり火山科学上の新データをつけ加えた。

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参照項目:伊豆大島
参照項目:三原山火山

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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世界大百科事典(旧版)内の大島火山の言及

【大島】より

…島の北部には大島空港(1955年開設)があって,羽田から1日3往復の空の便がある。【大村 肇】
[大島火山]
 大島は数十万年前の三つの火山島の残骸(現在の地名をとり岡田火山,行者の窟火山,筆島火山と呼ぶ)を,その後生じた大島火山の噴出物が覆って一つの島となったものである。大島火山の海面上での噴火は数万年前に始まり,約2万年前以降は三原山の位置にあった中心火口から100年ないし200年ごとに巨大噴火を百数十回繰り返している。…

※「大島火山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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