大明宝鈔(読み)だいみんほうしょう

世界大百科事典(旧版)内の大明宝鈔の言及

【交鈔】より

…元朝は87年(至元24)に至元通行宝鈔を新造し,中統鈔の平価切り下げ(中統鈔5貫=至元鈔1貫)によって局面を打開しようとするが結局成功せず,不換紙幣化した交鈔はインフレーションを昂進させて元末に至った。続く明も元にならって1375年(洪武8)に大明宝鈔の製造を始めるが,元と違い当初から兌換準備銀を用意せず,不換紙幣として発行した。一方で銀の使用を禁止し,国庫への集中を図ったが,これは当時民間で盛んになりつつあった銀の流通を抑止し,経済界を国家の統制下に置こうとしたものと考えられる。…

【明銭】より

…なお大中,洪武各通宝は小平,折二,当三,当五,当十の五等銭が鋳造されたが,輸入銭は1文の小平銭である。太祖のとき大明宝鈔を発行,その流布のため銅銭行用を禁止したり制限したりし,制銭頒布ははじめ少であった。しかし1460年(天順4)悪銭を除き歴代旧銭と洪武以下の制銭を兼行させ,また1511年(正徳6)洪武以下の制銭と歴代真正の旧銭を兼行させ,低劣の悪銭使用を禁止した。…

※「大明宝鈔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」