世界大百科事典(旧版)内の夫婦稲の言及
【イネ(稲)】より
…スラウェシ(セレベス)島の中央に住む焼畑耕作民のバダ族は,イネに父稲と母稲があると信じ,子稲は,父稲と母稲のあいだから生まれると考えている。ジャワ島東部では,イネの収穫がすんで,これを倉入れする日に,普通のイネともち(糯)イネをそれぞれ二つの束にくくり,これを新郎と新婦にみたてて夫婦稲にし,呪術師の供養がすんでから,夫婦稲を箕(み)にのせて家にもち帰って米倉に安置する。イネに男性と女性とがあって,子稲は,両者の婚姻によって誕生するというわけだが,東南アジアには,こうしたイネを擬人化する思想がかなり普及している。…
※「夫婦稲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」