世界大百科事典(旧版)内の《失われた地平線》の言及
【シャンバラ伝説】より
…20世紀に入ってからは,ロシアの神秘思想家レーリヒが本格的にシャンバラ思想を展開し,ソ連とアメリカの和解と心霊的な世界連邦樹立を目指して活動した。そのため,アメリカではこの名がユートピアの同義語となり,J.ヒルトンの小説《失われた地平線》(1933)に描かれたチベット山中の理想郷シャングリラShangri‐Laのモデルともなった。のちF.D.ローズベルトはメリーランドの大統領別邸(現在のキャンプ・デービッド)を,平和への希求を込めてシャングリラと名づけた。…
【ヒルトン】より
…ケンブリッジ大学在学中から文筆に従事。不老不死の秘境〈シャングリラ〉を舞台にした《失われた地平線》(1933)でホーソーンデン賞受賞。イギリスの老校長が波乱の多かった生涯を回想する《チップス先生,さようなら》(1934)をアメリカで出版,流行作家となる。…
【キャプラ】より
…《サブマリン》(1928)など戦争アクションや,バーバラ・スタンウィックを〈現代的な〉ヒロインとして売り出した女性映画《希望の星》(1930),《奇蹟の処女》(1931),《たそがれの女》(1932),《風雲の支那》(1933)でもストーリー・テラーとしての優れた才能を発揮。ジェームズ・ヒルトン原作,ロバート・リスキン脚色による,ユートピア物語《失われた地平線》(1937)も名作とされている。第2次世界大戦中は応召して戦時プロパガンダ映画《われら何故戦うか》のシリーズの製作に従事。…
※「《失われた地平線》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」