世界大百科事典(旧版)内の女房消息の言及
【手紙】より
…日常の口語,思考,感情を漢文で表現することはめんどうであり,また祝詞(のりと),宣命(せんみよう)体,和歌表記のかなの影響もあって,読み下し,仮名文字が用いられるようになった。後には視覚的な美しさを意識して,いろいろな形の散らし書きが行われ,ほとんど仮名文字の女房言葉や,重複記号を用いる女房消息が女性一般に用いられ,男子も女性へはこの形式で書くことがあり,やがては日本独特の和漢混淆文,初期には侍(はべる),後には候(そうろう)を多用する手紙文が一般化する。消息には自然の移り変りにつれて,日常面談できない遠くの相手の起居,安否を気づかう意味が強い。…
※「女房消息」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」