世界大百科事典(旧版)内の妄想気分の言及
【精神分裂病】より
…
[症状]
症状は千差万別で,知・情・意,すなわち知覚,思考,言語,感情,意志,欲求など,人間の精神機能のほとんどすべてにわたりうるが,その際,人格の自律性が障害され,周囲との自然な交流ができなくなるのが,共通の特徴とされる。病者はまず,まわりの世界がいつもと変わって,なにか起こりそうだと感じ(妄想気分),周囲のできごとをみな自分に結びつける(関係妄想)。街へ出ると,他人から変な目で見られ(注察妄想),あとをつけられ(追跡妄想),家では,食べものが変な味で(幻味),毒が入っていると思い(被毒妄想),食事をとらない(拒食)。…
【妄想】より
…妄想は了解心理学の立場から,(1)心理的に了解できない一次妄想primary delusion(真正妄想,原発妄想)と,(2)患者の感情,心理状況,ある性格者の環境への反応などから了解できる二次妄想secondary delusion(妄想的観念,続発妄想,妄想様反応)とに大別される。一次妄想は,さらに妄想知覚,妄想着想,妄想気分に分けられる。妄想知覚Wahnwahrnehmungは知覚したものへの理由のない意味づけであり,妄想着想Wahneinfallは突然のひらめきを確信する体験であり,妄想気分Wahnstimmungは,あらゆるものが新しい意味を帯び,無気味な,何かが起こりそうな気分状態をさしている。…
※「妄想気分」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」