世界大百科事典(旧版)内の妊性の言及
【稔性】より
…不稔となるのにはいろいろの様式があるが,形態的不稔性(生殖器官に発達異常がみられるもの),発生的不稔性(胚囊や花粉管など配偶体世代に相当する部分に異常のみられるもの,胚や胚乳の形成が異常なものなど),不和合性(花粉も胚囊も完全に機能しているのに特定系統間で交雑を行ったときには受精不能であるもの)などが区別されることもあり,広義には,環境条件によって花をつけなかったり早く落花したり,または種子が発芽できなかったりする場合も含めて不稔ということがある。 動物では稔性を繁殖可能性,生殖完全,またヒトや高等動物の雌については妊性ということがあり,不稔のことを繁殖不能性,生殖減退,不妊などと呼び,植物における現象と区別しようとすることがある。 種を定義する場合,生殖質合体が可能か否かが決め手とされることがあり,実際に種の解析にあたって集団内の稔性を手がかりにすることがある。…
※「妊性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」