世界大百科事典(旧版)内の孤独相の言及
【蝗害】より
…日本,中国,台湾,フィリピンに発生するトノサマバッタは東亜飛蝗と呼ばれる亜種である。これには,単独で草原にすみ,緑色で翅は短く肢の長いもの(孤独相)と,全体褐色で翅が長く肢の短いもの(群生相)がある。この性質は各種の飛蝗に現れ,孤独相は転移相を経て,群生相に変化するのでこの現象を〈ジキル博士とハイド氏〉にたとえた学者もいる。…
【トノサマバッタ(殿様蝗)】より
…またバッタ類の中ではよく飛び回る種である。本種は個体群の密度が高まると,飛ぶのにより適した形態に変化することが知られており,この状態を群集相と呼び,ふつうに草原でばらばらに生活しているときの孤独相とは区別される。群集相のバッタは飛蝗(ひこう)とも称され,作物に害を与えることで有名であるが,日本での例は少ない。…
【飛蝗】より
… ふつう日本の草原に見られるトノサマバッタは大群をなして移動することがなく,低い個体群密度で分散している。この状態を孤独相の状態にあるといい,前胸背板が幅広く,背方にもり上がっていて,体の全体がややどっしりした感じである。これに対し個体群密度の高い移動群飛を行うものは,全体に黒褐色が強くなり,長い翅,相対的に短い肢,スマートな前胸背板をもって,飛ぶのに適した形態となっている。…
※「孤独相」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」