守護町(読み)しゅごまち

世界大百科事典(旧版)内の守護町の言及

【城下町】より


[戦国期]
 南北朝期前後に在地領主の争乱から山城の城郭がつくられ,そのふもとに根小屋,山下という領主居館と家子,郎党の屋敷集落が設けられたが,それは商職人の町をもたなかった。室町期には守護の大名化にともない守護所を中心に守護町を生むものがあったが,それは城郭をもたない屋形町であった。守護町から戦国城下町に発展したものは鹿児島,人吉,山口,石寺,駿河府中,甲斐府中などで,多くない。…

【都市】より

…国府と守護所が一体となった所では,豊後府中のごとく通りごとに行事(奉行)が置かれるほどの規模を構成したが,独立した守護所は守護居館,付属舎屋程度のものであり,また,それらを通して関係する寺社(惣社など)や商工業者は,補助的役割をもって付随的に周縁部に存在するにすぎなかった。南北朝以降,国衙行政の解体とともに,守護がその機能の多くを摂取して一国の行政一般をも握るようになると,大内氏の周防山口その他の例からみて,どの守護所も一国行政の中枢として,居館周辺に上番する国内家臣の宿宅を集め,外縁部に寺社や市町を置くほどの規模となり,一般に守護町とも呼ばれるようになった。そして戦国期に入ると,守護の機能をうけて戦国大名となった者は,守護所を母体としつつ,これを商工業の発達と軍事的抗争の激化という新しい時代の要請にふさわしいものに発展させ,山城を背にした居館と常住化した家臣団屋敷を堀と土塁で囲み,その外縁に大きな商工業者居住区(町屋)を置くという,戦国城下町を建設することになった。…

※「守護町」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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