宗炳(読み)そうへい

世界大百科事典(旧版)内の宗炳の言及

【遠近法】より

…中国絵画において遠近大小の関係について関心が深まるのは,南北朝時代の4世紀後半からであって,顧愷之の《画雲台山記》には〈蓋(けだ)し山は高くして人は遠きのみ〉とあり,遠くのものは小さく,近くのものは大きいという意識を示している。また5世紀の宗炳(そうへい)の《画山水序》は,枠に絹を張って風景を透かして見て,その上に絵を描く法を説いており,透視画法の先駆とされている。さらに,唐代の王維の著と伝える《山水論》に,〈遠人に目なく,遠樹に枝なく,遠山に石なくして,隠隠として眉のごとし。…

【山水】より

…古い神話的イメージは老荘の思想や説話の中にある程度保存されているが,老荘の哲学が流行した東晋には,顧愷之(こがいし)が〈雲台山記〉で三山構成の霊山表現を示した。次いで南朝の宋に入って老荘の哲学が退潮し,その母体となった山水が文学的に豊かに表現されると,宗炳(そうへい)が〈画山水記〉で神仙の眼を借りた写実的な山水表現の方法を示した。唐になると旅行の山水(蜀道山水)が,宋には居住山水(胸中丘壑)が,それぞれ中世末と近世の自然観を示している。…

【山水画】より

…詩画による山水への逃避,俗中にいながら人間世界を超えるところに,山水画は生命をもつ,とされたのであった。 さらに宗炳(そうへい)(375‐443)は《画山水序》で〈臥して而してこれに遊ばん〉として琴を弾じ〈衆山をして皆響かしめんと欲し〉,王維が《山水訣(さんすいけつ)》に説いた〈山水臥遊〉の精神を踏襲するものであった。山水は対象のあるなしはもとより,主観,客観の区別なく自由な妙境として成立したのである。…

※「宗炳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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