世界大百科事典(旧版)内の官制大権の言及
【公務員】より
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【日本】
日本の官吏制度は,明治憲法の制定と国会開設に備えて,明治中期より整備されていった。明治憲法下における官吏制度を規定するものは,明治憲法10条の天皇の官制大権と任官大権に基づき議会の協賛を必要としない勅令によって制定された文官任用令,文官分限令,官吏服務紀律等であった。こうして官吏は天皇への忠誠観念によって義務づけられた天皇の使用人であった。…
【国家行政組織法】より
…第2は,行政組織を規律する法形式の問題である。明治憲法下では,行政組織の規律は,一般に天皇の官制大権(10条)および行政府の固有かつ独立の行政組織権に基づき,原則として勅令事項(各省官制通則および各省官制)とされていたが,現行憲法下では,国民主権主義と国会の〈唯一の立法機関〉性(41条)に基づき,前述の官制大権と行政組織権が否定された。国家行政組織法は,この趣旨をうけて,従来,行政組織の国会による民主的統制と国民に対する公開を目的として,〈行政組織法定主義の原則〉を採用し,府省・委員会および庁の設置・廃止,所掌事務の範囲・権限,官房・局部の設置と所掌事務の範囲,審議会・地方支分部局の設置などを原則として法律事項(各省庁設置法)としてきた。…
【国家公務員法】より
…第1は,公務員制度の編成権の所在の相違である。すなわち,明治憲法の下では,行政制度や官吏制度の編成権は天皇に帰属していた(官制大権)。明治憲法10条は,〈天皇ハ行政各部ノ官制及文武官ノ俸給ヲ定メ及文武官ヲ任免ス〉と定めていたからであり,官吏制度を定めた法形式も〈勅令〉(官吏服務紀律や文官分限令)であった。…
※「官制大権」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」