世界大百科事典(旧版)内の定角式石斧の言及
【石器】より
…石でつくられた器,道具を意味する考古学の用語。その内容は石器の用途・製作法などからみて多種多様であるが,現在,一般には使うのを見ることができない,おもに遺跡から遺物の一つとして発見される,いわば歴史的な産物を指す。人間が他の動物と違って独自の高度な文化を築きあげることができた秘密は,技術開発に努力してきた人間の歴史にうかがうことができる。その出発点は道具の使用であった。動物でも北の海に住むラッコが,水面に体を浮かせながら,海中から拾いあげてきた貝殻を腹の上にのせて,石ハンマーを使って器用にたたき割り,中身を食べる習性をもっていることはよく知られているし,最近ではアフリカのチンパンジーのなかに,繰返し行う使用によってくぼんだ台石の上にアブラヤシの実を置き,たたき石を使って打ち割って食べることが報告されている。…
【磨製石器】より
…磨製石斧の一般的な形は平面形が長方形あるいはやや刃部で広がった台形である。後期の特徴的な石斧に平面,側面,頭部のそれぞれの面をわずかに凸状に仕上げた胴張り(三味線胴と呼ぶ)の定角式石斧がある。一般に砂岩や安山岩が用いられるが,美しい色,縞文様をもつ蛇紋岩,閃緑岩,粘板岩などもある。…
※「定角式石斧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」