世界大百科事典(旧版)内の実証主義歴史学の言及
【史料学】より
…何が史料となりうるかは,歴史家がいかなる問いを発するかによって決まるのであり,問いに先立って既成の史料が存在するのではない。19世紀に成立した実証主義歴史学は,文書史料が残りやすい国家史を主要な関心事としたこともあって,古文書・古記録万能主義の傾向を示し,文書史料によって確定しえない事がらは歴史研究の対象から排除するという錯誤に陥った。しかし,人類のうちには文字を用いない社会も存在するし,人間の生活のうちには文字によって記録されない部分も広範に存在する。…
※「実証主義歴史学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」