世界大百科事典(旧版)内の実質説の言及
【唯物論】より
…原語は17世紀の成立で,materialistという言葉はH.モアやR.ボイルさらにライプニッツによって使用された。訳語としては1881年の《哲学字彙(じい)》以来定着している(中江兆民は1886年に〈実質説〉と訳した)が,最初は〈気〉〈体〉〈心〉〈光〉〈熱〉等いっさいの区別の生じるただ一つのものを考えており,唯心論と唯物論,観念論と実在論とを対比するのは,19世紀の末から20世紀の初頭にかけて以降である。 西洋では18世紀のC.ウォルフが一元論者を,物質的実体の存在を認める唯物論者と非物質的実体の存在を認める観念論者とに分けた。…
【自白】より
…補強証拠によって証明すべき事実の範囲については,犯罪の客観的側面(罪体)に関して補強が必要であるとする罪体説(形式説)が有力であるが,判例は,補強証拠としては自白にかかる事実の真実性を担保するものであれば足りるとしている。これを実質説という。【長沼 範良】。…
※「実質説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」