対比研究(読み)たいひけんきゅう

世界大百科事典(旧版)内の対比研究の言及

【比較文学】より

…多数の民族,文化が混在し,旧来の伝統にとらわれない新しい発想を受け入れるこの新興大国において,ウェレックRené Wellek(1903‐ ),アウエルバハErich Auerbach(1892‐1957)ら,みずからもヨーロッパから移住してきた研究家を軸に,活発な理論,実践の試みが展開された。このアメリカ派は,戦前のロシア・フォルマリズム,アメリカのニュー・クリティシズム,言語学,修辞学など,多彩な関連領域の方法を導入して,一方では文学作品の内在的構造を分析し,そこからさらに文学の一般理論の構築に向かい,他方ではこうした構造分析的・一般理論的視点に立って,直接には接触交流のない文学作品間の類似,対応関係を巨視的に展望する,いわゆる対比研究の方向に,というように野心的,挑戦的な分野を開発した。従来のフランス実証学派と激しく対立したが,そのフランス内部においても,60年代に入ると,パリ大学のエティアンブルRené Étiembleらの発想方法の革新を唱える動きが現れて,百家争鳴の様相を呈した。…

※「対比研究」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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